「理科なんてキライ!」という子どもがいるとしたら、その気持ち、激しく同意します。
水に塩を溶かしてみたり、バネに重りをつるしてみたり、乾電池に豆電球をつないでみたり、このあたりはまだ良いのです。
身の丈を超えるものたちを相手にしなければならない時から、雲行きは怪しくなります。
「過酸化水素水と二酸化マンガンがありますが、これを混ぜてみましょう」
などと、いきなり実験をさせられるのですが、そもそも、なぜそんなマニアックなものが唐突に用意されているのか??という事の方が気になります。
なぜか発生する気体。燃え盛るろうそく。
「さあさあ、ではこの気体は何かね?」と迫る先生。
「さ、酸素です・・」と答える子ども。
何となく消化しきれないものを抱えたまま、理科の授業は進みます。
月を見ろ、星座を見ろと言われたかと思うと、今度は顕微鏡でゾウリムシを見たりと、何というかエリアが広すぎるのです。理科は、「なぜ??とふしぎに思う心から始まるのだ」などと言われますが、あまりにも色んなものを脈絡もなく突きつけられて、「どうだ!ふしぎだろ!!」とすごまれている気になりはしないでしょうか;
さて、そんな苦手な理科の問題にも目を向けてみたいと思います。
洗剤についての出題というのが、まれにあります。
本来、水と油は混じりません。
水だけで油汚れを落とすことは難しいので、私たちは洗剤を使います。
では、洗剤を使うと、どうして油汚れが落ちるのでしょうか??
洗剤には。「界面活性剤」という成分が含まれています。
これを細かく見ると、マッチ棒のような構造をしていて、水とくっつきやすい部分と、油にくっつきやすい部分とに分かれています。後者の部分が、油(汚れ)にくっついて、水で流してしまう、というわけです。
芝中で、この界面活性剤が油に対してどのようにくっつくのか、視覚的なイメージを問う選択肢問題が出題されたことがあります。
界面活性剤の分子は、下の図のようにマッチ棒の形をしていて、棒の方が油とくっつきやすい部分です。
(もちろんこの図はヒントとして与えられます)

これが油にくっつく時には・・・

こうなります。
タンポポの綿毛のような感じで油にくっついているイメージですかね。
これはまだそんなに難しくないですね。
しかし、界面活性剤の性質は、それだけではありません。
このような問題(@渋谷教育学園渋谷)はどうでしょう?
(問い) 画用紙の上に水滴を垂らすと、丸まっています。これは表面張力によるものです。
では、この水滴の上に洗剤を加えると、どうなるでしょうか??
(答え) 画用紙に染み込みます。
洗剤(界面活性剤)には、表面張力を下げる働きがあります。
水というのは分子どうしがグッとスクラムを組むように結びつく性質があります。(表面をグッと小さくしようとする、この力が表面張力)
洗剤がその性質を弱めることで、水滴の球体は崩れてしまうのです。
・・・・しかし、こんな問題、僕が子どもの頃は見なかったような気がします。
この洗剤の機能は、汚れを落とすことにも関係します。
水は濡れにくいタイプの繊維の中には十分に浸透できません。そこで、洗剤を水に混ぜることで、水の表面張力を小さくし、繊維の間に行き届かせます。そこについている汚れが油汚れであっても、上で最初に見たような性質があるので、油にくっついて落とすことができます。
一言で「界面活性剤」と言っても、そのような性質をもった物質ということなので、人工的なものもあれば、自然由来のものもあり、いくつもの種類があるようです。ある物は食品にも入っていて、ある物は環境に悪影響を与えたりすると言われます。
試しに、家にあったお掃除シートの成分を見てみると、「界面活性剤(・・・・・)」のように、種類の表示がされているものがあるのに対して、ある別の安い商品には(・・・・・)の表示は無かったりします。機能的にはほとんど同じに見えます。
表示の有無は何かのルールで決まっているのでしょうが、非表示というのは何だか気になるものですね。

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水に塩を溶かしてみたり、バネに重りをつるしてみたり、乾電池に豆電球をつないでみたり、このあたりはまだ良いのです。
身の丈を超えるものたちを相手にしなければならない時から、雲行きは怪しくなります。
「過酸化水素水と二酸化マンガンがありますが、これを混ぜてみましょう」
などと、いきなり実験をさせられるのですが、そもそも、なぜそんなマニアックなものが唐突に用意されているのか??という事の方が気になります。
なぜか発生する気体。燃え盛るろうそく。
「さあさあ、ではこの気体は何かね?」と迫る先生。
「さ、酸素です・・」と答える子ども。
何となく消化しきれないものを抱えたまま、理科の授業は進みます。
月を見ろ、星座を見ろと言われたかと思うと、今度は顕微鏡でゾウリムシを見たりと、何というかエリアが広すぎるのです。理科は、「なぜ??とふしぎに思う心から始まるのだ」などと言われますが、あまりにも色んなものを脈絡もなく突きつけられて、「どうだ!ふしぎだろ!!」とすごまれている気になりはしないでしょうか;
さて、そんな苦手な理科の問題にも目を向けてみたいと思います。
洗剤についての出題というのが、まれにあります。
本来、水と油は混じりません。
水だけで油汚れを落とすことは難しいので、私たちは洗剤を使います。
では、洗剤を使うと、どうして油汚れが落ちるのでしょうか??
洗剤には。「界面活性剤」という成分が含まれています。
これを細かく見ると、マッチ棒のような構造をしていて、水とくっつきやすい部分と、油にくっつきやすい部分とに分かれています。後者の部分が、油(汚れ)にくっついて、水で流してしまう、というわけです。
芝中で、この界面活性剤が油に対してどのようにくっつくのか、視覚的なイメージを問う選択肢問題が出題されたことがあります。
界面活性剤の分子は、下の図のようにマッチ棒の形をしていて、棒の方が油とくっつきやすい部分です。
(もちろんこの図はヒントとして与えられます)

これが油にくっつく時には・・・

こうなります。
タンポポの綿毛のような感じで油にくっついているイメージですかね。
これはまだそんなに難しくないですね。
しかし、界面活性剤の性質は、それだけではありません。
このような問題(@渋谷教育学園渋谷)はどうでしょう?
(問い) 画用紙の上に水滴を垂らすと、丸まっています。これは表面張力によるものです。
では、この水滴の上に洗剤を加えると、どうなるでしょうか??
(答え) 画用紙に染み込みます。
洗剤(界面活性剤)には、表面張力を下げる働きがあります。
水というのは分子どうしがグッとスクラムを組むように結びつく性質があります。(表面をグッと小さくしようとする、この力が表面張力)
洗剤がその性質を弱めることで、水滴の球体は崩れてしまうのです。
・・・・しかし、こんな問題、僕が子どもの頃は見なかったような気がします。
この洗剤の機能は、汚れを落とすことにも関係します。
水は濡れにくいタイプの繊維の中には十分に浸透できません。そこで、洗剤を水に混ぜることで、水の表面張力を小さくし、繊維の間に行き届かせます。そこについている汚れが油汚れであっても、上で最初に見たような性質があるので、油にくっついて落とすことができます。
一言で「界面活性剤」と言っても、そのような性質をもった物質ということなので、人工的なものもあれば、自然由来のものもあり、いくつもの種類があるようです。ある物は食品にも入っていて、ある物は環境に悪影響を与えたりすると言われます。
試しに、家にあったお掃除シートの成分を見てみると、「界面活性剤(・・・・・)」のように、種類の表示がされているものがあるのに対して、ある別の安い商品には(・・・・・)の表示は無かったりします。機能的にはほとんど同じに見えます。
表示の有無は何かのルールで決まっているのでしょうが、非表示というのは何だか気になるものですね。

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