受験はオヤカラ?

学校や塾にまかせてしまいがちな子供の受験勉強。オトナもおさらいしてみる価値はアリ!?

夏休みの宿題、読書感想文になかなか手が付かない!というお悩みは多いのではないでしょうか。
自分自身も、かつては原稿用紙のマス目を想像するだけで、気が遠くなりそうでした。

読書が好きなお子様は良いですが、そうでないお子様は、まずは本選びの段階で無理をしないことが
一つのポイントだと思います。

面白い本と話題になるものや、推薦図書、課題図書ばかりが良い本とは限りません。

よーく出来上がっているお話の中に飛び込んでみて、面白さは感じる反面、
そのストーリーや筆者の考えやらに、読み手の方が押されてしまう場合もあるような気がします。
物語の中に、道徳的なテーマが脈々と流れているような場合、特にそうでしょう。

お子様が自分の個人的な体験と重ね合わせて、共感できる場面があるなら、そういう課題図書的
な本でも感想文はしっかり書けると思うのですが、そうでないと、本の内容になびいてしまい、
ただの共感ばかりになってしまうこともあります。
「…と思いました」「…と感じました」の連続になってしまうと、書いていてもつまりません。



まず、「物語を読まねば」という先入観を捨ててみましょう。
そして、お子様の「好きなこと」「好きなもの」に関する本を探してみるのがおすすめです。
何かスポーツをやっているなら、本を出しているスポーツ選手もたくさんいます。

また、好きな対象が具体的であれば、なお良いと思います。
漠然と「動物が好き」というよりは、「クラゲが好きだ!」とか、限定されるほど、その思いは
とても強いはずで、感想文への追い風が期待できます。

また、逆にお子様が「嫌いなこと」「嫌いなもの」に関する本も見過ごせません。
こちらも、嫌いな食べ物、嫌いな昆虫でも、何でもよいと思います。

いずれにしても、お子様自身の感情が揺さぶられることが大事です。
「好き・嫌い」には、そういう感情の揺れがあるはずですし、またそこには「個人の体験」という
ものもセットとして存在すると思います。

例えば、自分の場合は、別の記事でご紹介したとおり、嫌いだったイカの本を手に取りました。
単に「イカが嫌い」といっても、正確には、その間にやはり「個人の体験」が入ります。

イカ ⇒ ある日の給食のイカ ⇒ 食べられない ⇒ 嫌い 



あとは、言い回しが難しい本、字数の多すぎる本は、なるべく避けるということもポイントです。
読書も、「わかる」「おもしろい!」と感じるからこそ、先へと進めるものだと思います。
このあたりは本屋さんで実際手に取って、パラパラとめくってみた方が良いでしょう。

学年によっても許容度に違いはあるでしょうが、文章がある程度入っていれば、写真多めの本でも
大丈夫です。こんな本を読んで書いてもいいんだろうか・・?と気にすることはありません。
それよりも作文の文章に、自分の考えが、自分の言葉でしっかり書かれてあることの方が、
よほど大事です。


①物語に限定せず、感情が揺さぶられそうな本を選ぶ(好きなもの、嫌いなものなど)
②自分自身の体験や考えについて書けそうな本を選ぶ
③あきらめずに読み進めそうな本を選ぶ(写真付きの本でもOK)


感想文が手に付かなくてお困りの方は、ぜひ試してみてください。


確かに、読書感想文は面倒な宿題の一つです。
けれど、お子様自身が、何気ない生活の中で持っている好き嫌い、感情、価値観にあらためて
耳をすませてみる、さらに言葉で表現してみる、という意味では、結構意義深いものである
気もします。

完成した作文がどう評価されるかは別にしても、このような本選びと読書をすることで、
それまでは気づかなかったようなお子様の個性が垣間見えてくることもあるのではないでしょうか。



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国語は、算数と並ぶ重要科目で、中学受験では大きなカギを握ります。

その割に、塾での指導も一貫性がなかったり(先生によって教え方が違っていたり)、解説が
あまり論理的でなかったり等、教える側の問題もあって、悩まれる方も多いのではないでしょうか。
自分のこれまでの経験からも、伸び悩むのにはやはり、いくつか理由があります。

その一つに、お子様の「要領の良さ」が邪魔してしまっている、というものがありました。
(「国語は苦手で、算数は好き!」というお子様に多い気がします)



あるお子様のケースです。

「国語は苦手」と言いながらも、一緒に過去問に取り組んでみると、
文章を読むスピードは決して遅くない。
内容もよく理解できているようです。

そしていざ設問に。そこには(多くの受験生が苦手とする)長めの記述問題が並んでいました。
解答用紙に書いては消しゴムで消して、また書いては消してと…、頑張ります。

ついに出来上がって、答案を見せてもらいましたが、まず最初の感想として…。
「上手いな」と思いました。
文章の形も整っていましたし、一見「それっぽい」回答に仕上がっていたからです。

しかし、よく読むと、表面をなぞるような感じで、設問に対してハッキリ答えられておらず、
モヤモヤ感が否めません。
読解の文章中で注目するところは、それほど外してないけれど、設問の答えにはなりきれていない。
鉄棒に指はかかっているけれど、掴みきれていない感じ。
そんなもどかしさを感じさせるものでした。
(この回だけでなく、塾のテストでも同じような感じでした)

もちろん、そういう文章を書けること自体は、とても大人びた能力だと思います。
自分で何となくつかんだ要点を、簡潔な文章でまとめることができるのは、間違いなく一つの
能力でしょう。

しかし、テストですので、その要領だけではいつか頭打ちしてしまいます。
記述問題は、「この要素が書かれていれば3点」などと、要素の基準があるはずなので、
全体的にモヤっとした回答というのは、「要素がはっきりと書かれていないな」と見られます。

本人は「書いた!」「できた!」と思っても、なかなか点数がもらえず、感触と結果にギャップ
が出るのは、このあたりにも原因があると思います。
また、何かのはずみで部分点をもらえることもあるので、「これでいいんだ!」と思ってしまい、
自分のやり方を変えるきっかけも、なかなか無いのかもしれません。


そして、物足りない記述をしてしまうのは、下書きをしない、というスタイルにも表れています。

解答用紙にいきなり書いて、制限字数にはまれば良し。
字数オーバーすれば、消しゴムで消して、やり直し…。

焦る気持ちはわかりますが、上手くいかないときは、逆にどんどん時間を使ってしまうでしょう。


ちなみに、このお子様に関しては、意外なところで邪魔をしていたのが、塾のシステムでした。

大手の塾で、テストの成績順に座席を変えるところがありますよね。
もし、自分の慣れたやり方を変えて、テストで時間切れになってしまったら、点数が下がるかも
しれない。席順が後ろになってしまうのは嫌だ。だから、一刻も早く回答を書いてしまいたい!

これも気持ちはわかります。
わかりますが、テストはあくまで自分の学習成果を出す場であり、受験本番を意識して、いろいろ
試すことができる練習の場でもあります。時間配分などは特にそうでしょう。

このあたり、塾のテストに振り回され過ぎず、逆に利用するぐらいの気持ちでいたいものですし、
私も学習のお手伝いをする機会がある時には、そのようにアドバイスしています。

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「理科なんてキライ!」という子どもがいるとしたら、その気持ち、激しく同意します。

水に塩を溶かしてみたり、バネに重りをつるしてみたり、乾電池に豆電球をつないでみたり、このあたりはまだ良いのです。

身の丈を超えるものたちを相手にしなければならない時から、雲行きは怪しくなります。

「過酸化水素水と二酸化マンガンがありますが、これを混ぜてみましょう」
などと、いきなり実験をさせられるのですが、そもそも、なぜそんなマニアックなものが唐突に用意されているのか??という事の方が気になります。

なぜか発生する気体。燃え盛るろうそく。
「さあさあ、ではこの気体は何かね?」と迫る先生。
「さ、酸素です・・」と答える子ども。


何となく消化しきれないものを抱えたまま、理科の授業は進みます。

月を見ろ、星座を見ろと言われたかと思うと、今度は顕微鏡でゾウリムシを見たりと、何というかエリアが広すぎるのです。理科は、「なぜ??とふしぎに思う心から始まるのだ」などと言われますが、あまりにも色んなものを脈絡もなく突きつけられて、「どうだ!ふしぎだろ!!」とすごまれている気になりはしないでしょうか;



さて、そんな苦手な理科の問題にも目を向けてみたいと思います。

洗剤についての出題というのが、まれにあります。



本来、水と油は混じりません。
水だけで油汚れを落とすことは難しいので、私たちは洗剤を使います。

では、洗剤を使うと、どうして油汚れが落ちるのでしょうか??




洗剤には。「界面活性剤」という成分が含まれています。
これを細かく見ると、マッチ棒のような構造をしていて、水とくっつきやすい部分と、油にくっつきやすい部分とに分かれています。後者の部分が、油(汚れ)にくっついて、水で流してしまう、というわけです。



芝中で、この界面活性剤が油に対してどのようにくっつくのか、視覚的なイメージを問う選択肢問題が出題されたことがあります。


界面活性剤の分子は、下の図のようにマッチ棒の形をしていて、棒の方が油とくっつきやすい部分です。
(もちろんこの図はヒントとして与えられます)
図2




これが油にくっつく時には・・・




図3



こうなります。
タンポポの綿毛のような感じで油にくっついているイメージですかね。


これはまだそんなに難しくないですね。



しかし、界面活性剤の性質は、それだけではありません。


このような問題(@渋谷教育学園渋谷)はどうでしょう?


(問い) 画用紙の上に水滴を垂らすと、丸まっています。これは表面張力によるものです。
では、この水滴の上に洗剤を加えると、どうなるでしょうか??









(答え) 画用紙に染み込みます。



洗剤(界面活性剤)には、表面張力を下げる働きがあります。

水というのは分子どうしがグッとスクラムを組むように結びつく性質があります。(表面をグッと小さくしようとする、この力が表面張力)

洗剤がその性質を弱めることで、水滴の球体は崩れてしまうのです。


・・・・しかし、こんな問題、僕が子どもの頃は見なかったような気がします。



この洗剤の機能は、汚れを落とすことにも関係します。

水は濡れにくいタイプの繊維の中には十分に浸透できません。そこで、洗剤を水に混ぜることで、水の表面張力を小さくし、繊維の間に行き届かせます。そこについている汚れが油汚れであっても、上で最初に見たような性質があるので、油にくっついて落とすことができます。



一言で「界面活性剤」と言っても、そのような性質をもった物質ということなので、人工的なものもあれば、自然由来のものもあり、いくつもの種類があるようです。ある物は食品にも入っていて、ある物は環境に悪影響を与えたりすると言われます。

試しに、家にあったお掃除シートの成分を見てみると、「界面活性剤(・・・・・)」のように、種類の表示がされているものがあるのに対して、ある別の安い商品には(・・・・・)の表示は無かったりします。機能的にはほとんど同じに見えます。
表示の有無は何かのルールで決まっているのでしょうが、非表示というのは何だか気になるものですね。



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